アイドルグループしか音楽ヒットチャートで一位をとれない時代、日本のミュージシャンにとっては生きづらい環境なのかもな、なんて考える。
別にアイドルグループがダメだとかいいたいわけではなく、音楽だけで評価されないというのは生粋のミュージシャンには辛いだろうなと思うのだ。華やかなダンスとかグループ内の対決だとかアクロバティックなパフォーマンスとか、もちろん面白いし、今の時代を反映しているのだけど。音楽って見るものだったか?

メルボルンのヒットチャートの一つhottest100は毎年楽しみに聞いている。メルボルンの人たちって、自分たちでいい音楽を発掘したいという気持ちが強いのか、アメリカのヒットチャートとも違う時にインディペンデントな面白いアーティストが名を連ねる。
先日行われた町中が一晩中ライブハウス化するというイベントも面白かった。街角のライブハウスで、仮設ステージで、駅の階段踊り場で、路地の溜まりで、有名無名のアーティストが夕方から夜が開けるまでライブパフォーマンスを行った。
私は日本以外にはメルボルンにしか住んだことがないので他の都市のことはわからないけど、メルボルンの人たちは確実に音楽を、聴いて、いると思う。見て、いない。
ライブを安くで気軽に見れる環境があるというのがそのリテラシを育む環境として大きく影響していると思うし、ほとんどの人が車に乗って移動しているというのも大きいと思う。

車を運転する時には音楽を聴き、電車で移動する時は本を読むというのがいい組み合わせなんじゃないかと思っていて、まあそのことについてはまたまとめて書きたいことがたくさんあるのだけど。

音楽というのはすごくパワフルなものだ、と思う。一気に空間の色あいをかえてしまう。そして、ときに何よりもシャープにその時代の空気を切り取る。言葉とメロディで。聴くということ、聴き考えるということ、聴き感じるということ。その能力を退化させてしまうのはもったいない。ライブもいいけど、目をつぶって音楽を聴く時間もとろうかな、と思う。