セミ子再び

徹夜明け、3号館3階の女子トイレ。
なにやら、ばさばさ、音がする。
周りを見渡すと、奥のほうでセミがひっくり返ってもがいている。


セミ子だ。


そう確信し、救出を計る。
セミ子は、幼虫時代からおっちょこちょいだったから....

 
体をつかんで、床に立たせる。
急な体勢の変化に驚いたのか、セミ子は天井めがけて飛び上がる。
蛍光灯に、ごんごん、体をぶつけている。


なんておっちょこちょいなんだろう、セミ子は。