小旅行

そうそう、試験前日は軽井沢に行っていました。おくやま研のオープンハウス。どまのいえの裏手にできた別荘をみに。
軽い気持ちでいったら片道5時間かかった。
以下、感想。

規模と形式の関係を見ても、要素が非常に厳選されていて少ないことを考えても、もっと厳しい空間になり得たと思う。なぜか私には何かスキがあるように感じられた。それはなぜだろうと考えてみる。たぶん、インテリアの問題だろうと当たりを付け歩き回る。
ひとつは素材感。木の部分の素材感が他に比べて非常に強い。だから木で仕上げられた入れ子の部分が全体から孤立して見える。
さらに暖炉や階段などといった要素それぞれの存在感がつよい。
だから全体として、というかすごく要素の少ないインテリアでありながら全体性がない。そういうことかなと思う。
強いカタチの外観と、ミニマルでありながら散漫なインテリア。

たぶん、この建物では、要素がそれぞれ何か象徴性を背負っているんだろうと思う。それはこの強い外観と同じくらい強いものなんだろう。そうすることで、どんな使い方をされようと、何を置かれようと消えない質を要素それぞれに担保させたんだろうと思う。

現代において「建築」を創ることの苦しさを叫んでいるようにもみえる。形式を目標として収束させる表現も可能だったと思うが、そうすることが建築としての強度をもち得ない時代であることにはみんな気づいている。そんなときどうすれば「建築」でいられるのか・・・。「建築らしさ」とは何かと真面目に問い続けている人のストイックさを見ることができた気がする。
一方で、建築が「建築らしさ」を目指すというのはおおきなトートロジーじゃないかというきもしつつ。


他の建物も色々見て、今回いちばん気になったのが、「足元、腰回り、目線、上のほう」といった身体にまつわる位置に対するモノの密度(ほぼ自分の修論の内容かもしれない・・・・・)

・土間の家(篠原さん)ー足元周りの分節、形式は強いけど優しい感じ
・別荘(奥山研)ー足元は分節無く上のほうに入れ子

・田崎美術館(原さん)ー目線の少し上に線が通っている。上方の天井周りに分節が多い。天井が高く変なプロポーションの空間なのに、なんて良いスケールなんだと思った。

・夏の家(レーモンド)ー足元多様系。小さなヴォリュームが集合してできる建物の面白さを体験できた。コーナーの使い方やシーンの作り方などが絶妙で、この形式の建物はこの規模ではもう作らなくていいんじゃないかと思った。
特に足元、腰回りと言った低い位置に分節があるかないかというのが、その空間の使い方とか印象に大きな影響を与えてるなーと思った。
足元スッキリは非日常系。


外観の力も感じた。やっぱり建築の外観ってのは色んなことができるんだ。

優しさに包まれた軽井沢の別荘。

存在感に絶叫した石の教会。


あと、はきだしまどって、素っ気ないな、となぜか思った一日だった。