「50キロって、お父さんの重さくらい??」
という声がした。少年が肩車されながら父に聞く声。
日曜日の少年だなー、と幸せな気持ちになる。


「白い馬」「赤い風船」の二本立てを見た。1950年代の映画。アルベール・ラモリス監督。
少年と白い馬のお話と、少年と赤い風船のお話。
どちらもすごく台詞が少なく、ストーリーもシンプル。そして場面の構成がすごくきれいだった。

白い馬の方はモノクロで、少し悲しい。
赤い風船はカラー。ところどころふっと笑ってしまうシーンもあって、楽しい作品。パリの灰色の街並に、色とりどりの風船が溢れるラストシーンは、息をのむうつくしさだった。
どちらも映像でしかみせることができない世界を描いていると思う。
少年と白い馬も少年と赤い風船も、さいごは2人が友達のままで居れる世界へ、つまり映画の中の現実である私たちのいるこちら側の世界ではない場所へ、いってしまう。

「一週間なんにでもなれます」といわれたら、「少年か宮沢りえでお願いします!」とこたえるだろう。「もしくはガッキーで!」
少年になってみたい。コロコロコミックに全神経を集中させ、蝉をみて喜び、風船と友達になりたい。