坂本先生レクチャー@acmi

直前になって通訳のマリカが「できない・・・」といいだす。確かに、坂本先生の言葉づかいを英語にするのはとても難しいと思う。マリカは真面目に全部訳そうとする人なので、きつくなってしまった様子。「ここにくるまで二人で何度も読み合わせしたんだから絶対大丈夫!いざとなったら私が助けるから!!(絶対無理だけど)」と励ましなんとか舞台に立ってもらう。パワポも壊れぐだぐだのスタート。
でも結局素晴らしいレクチャーになりました。
入りきれなくて聞けなかった人も居たようで、それが残念だった。
マリカの訳がほんとによかった。身体から出る言葉だった。さすが。
クロージングパーティーではサイン攻めにあう坂本先生・・・。
ナイジェル曰く、「とても難しい内容だった。」
ーちなみに内容は「形式と現実のせめぎ合いのうむリアリティ」「日常の詩学という考え方」についてと、それに絡ませていくつかの作品を解説するというもの。
「でも、難しいということはつまり、考えなければいけない状態をつくるもので、たくさんの人がただ受動的に聞くだけでなくメモを取ったり質問したりして理解しようとしていた。それは本当にいい機会だった。」
たしかにそれはある。
どれだけ「わかってもらうか」ということを目標にしたレクチャーがほとんどの現代、まあお客様第一の消費社会だからそれが当たり前なのだけど、坂本のレクチャーは説明し尽くすことを目標としていない。むしろ自分の感覚について訥々とはなすことで疑問を投げかけ、余韻を残す。